http://www.dedochtervandekorenaar.be/
Pastoor De Katerstraat 24
Baarle-Hertog
brouwerij@dedochtervandekorenaar.be
'I prefer the juice of the the ear of the corn, better than the blood of grape.'
ドクトルヴァンドゥコールナール醸造所は、オランダ領内にあるベルギーの飛び地「バールレ-ヘルトフ」に位置し、2007年にロナルド氏(Ronald Mengerink)が創業した、家族で営む小規模な醸造所。ドクトルヴァンドゥコールナールとは「穂の娘」の意、ローマ帝国皇帝シャルル・カンが、穂の娘のジュース(=ビール)の方がブドウの血(=ワイン)よりも好きだと言ったことに由来している。
毎年ベルギー・ルーヴェンで行われる、世界中からビール好きが集まることでも有名なジトスビアフェスティバルにて、2011年アイライトモルトアードベッグ樽で熟成させたアンブラスピートオークエイジドが役500銘柄の中から来場者投票で1位を獲得。その後も、2013年エクスターズ(ダブルIPA)、2014年クリムパシオネル(ウィートIPA)、2016年ルネッサンスゴールド(白ワイン樽熟成イングリッシュIPA)もそれぞれ1位を獲得という快挙も成し遂げている。現在ベルギーにおいて最も支持と注目を集める醸造所と言っても過言ではない。しかし、ロナルドは今や輝かしい受賞歴のあるブリュワーの1人だが、経営がうまくゆかず一度ビール造りを離れたことがある。15歳から醸造に関わるプロフェッショナルではあるが、ドクトルヴァンドゥコールナールは再起をかけたチャレンジだった。はじめはローカルでの販売がメインだったが、ジトスビアフェスティバルでの受賞により、新興の醸造所ながらそのビール造りの実力は本物であることが飲み手からも証明され、今や世界中に多くのファンを増やしている。
多くは語らない職人気質な人柄だが、ビール造りにかける内に秘める情熱は誰よりも強い。過去に失敗を経験している彼にとって、ビール造りはチャレンジであり、自分が作った作品であるビールを多くの人に届けたいという思いがビールの多彩さ、ラベルデザイン、そのネーミングにも宿っている。もちろんビールのクオリティーは確かなものだが、その多彩な味わいや奥深さ、ネーミングのセンスの良さを味わうと虜になってしまう。セッションIPAの「Passe-Partoutパスパルトゥ」=「合鍵」(誰の心も開けてしまうビール)など、「眠る前にふと思いつくんだよ」と語るビールのネーミングはどこか哲学的であったり、ロマンチックでセンスの良さが光る。
2016年末には新しい醸造所も完成し、バレルルームにはフランスやイタリアのワイン樽、イギリスのウイスキー樽など100本ほどストックされている。ほとんどのラインナップにおいて通版を造るとともに、少量のバレルエイジバージョンもあり、進化は止まらない。ベルギービールをより「モダン」で「クラフト」な形に進化させるドクトルヴァンドゥコールナールは、これからのクラフトビールを語るうえで外せない存在になるに違いない。